削らないラミネートベニア
(スーパーエナメル)
削らないラミネートベニア(スーパーエナメル)

歯の表面を削らずに、セラミックやジルコニアでできたシェル(ネイルチップのような薄片)を装着することで、歯を白くしたり軽度のすきっ歯を解消したりする治療法です。従来のラミネートベニアでは、歯の表面を削る必要がありました。そのため、治療には麻酔を使用して歯の表面を削り、歯型を取ってからシェルが完成するまでの期間は仮歯を装着していました。しかし、削らないラミネートベニアの場合は、歯型を取るだけで終わり、大掛かりな処置は不要です。歯への負担も少なく、通院回数も少ないことから、患者様の負担を低減した治療法といえます。それだけでなく、耐久性にも優れ、変色や摩耗に強いため、自然で美しい見た目の歯を長期間維持できます。
このような方におすすめです
- ラミネートベニアに興味はあるが、歯の表面を削ることに抵抗がある方
- 黒ずんだり変色した歯があり、ホワイトニングだけでは白くならなかった方
- 軽度のすきっ歯の方
- 前歯を白く、美しくしたい方
当院で行なう「スーパーエナメル」の特徴

「スーパーエナメル」の素材
湯川歯科医院で行なうスーパーエナメルは、e.maxベニア、ジルコニアベニアの2種類からお選びいただけます。
世界的にも新しい審美歯科材料として普及され始めている、Ivoclar社のセラミックe.maxを採用しています。このe.maxベニアは、従来法のラミネートベニアに用いられているセラミックの約4倍の、400MPa(※)という強度を誇ります。
体になじみやすく、色合いも豊富で、接着システムにも優れているため、患者様の負担を軽減しながら、見た目の美しさを保てる素材です。また、ジルコニアは1200MPaの強度があり、歯科材料のなかでも金属に次ぐ強度があります。そのため、ラミネートベニア治療においても600Mpaというより強度のある材料です。
※MPa(メガパスカル):金属が変形せずに耐えられる強度を示す単位のこと
審美歯科治療種別の特徴
材質 | 強度 | 切削度 | 形態修正 | |
---|---|---|---|---|
スーパーエナメル | e.max/VINTAGE | 高強度ベニア(400MPa程度) | 削らない | 少し修正できる |
ジルコニア | 高強度ベニア(600MPa程度) | |||
ラミネートベニア | ポーレセン | やや弱い(100MPa程度) | 表層を削る | 少し修正できる |
セラミッククラウン | ポーセレン | フルカバーなので強い (400~1200MPa程度) |
全周を削る | かなり修正できる |
ジルコニア | ||||
ルミネアーズ | ニューセリネート | 強化型ベニア(260MPa程度) | 削らない | 少し修正できる |
ハイブリッドベニア | ハイブリッドレジン | 経年的に劣化しやすい (200~300MPa程度) |
削らない | 少し修正できる |
スーパーエナメルのメリット
- 歯を削らずに白くできます。
- 歯を削らないため、患者様の負担が少ないです。
- 最短2回できれいな歯を手に入れられます。
- ラミネートベニアより低価格で施術ができます。
- つけ爪のように貼るだけなので、簡単にきれいな歯になります。
スーパーエナメルのデメリット
- 歯ぎしりや食いしばりのくせがある方は、割れたりはがれたりすることがあります
- 歯を削らずにベニアを貼るので、その分厚みが出ます。すぐ慣れますが、唇に引っ掛かることがあります。
- 強力に接着するので、万が一色味が気に入らない場合でも簡単にやり直せません(色味は必ずシミュレーションして決定します)。
- 基本、左右対称に貼るため、犬歯から犬歯までの6本、できれば犬歯の2つ後ろまでの10本を施術することが望ましいです。
- とれやすいので、金属の被せ物がある部分には貼れません。
- 下の前歯にはおすすめできません。ただし、開咬の方には適用できます。
・下の前歯には不適合です。適用する場合は、通常のラミネートベニアか、セラミッククラウンになります。
・虫歯を残したまま接着してしまうと、中で虫歯が進行し、脱離の原因や変色につながります。
・歯周病で歯茎に炎症がある場合、施術時に出血して、きれいに型取りや装着ができないこともあります。装着後に炎症が引いて歯茎が引き締まると、歯とスーパーエナメルの間に隙間ができてしまうこともあります。
・歯の欠損、噛み合わせや歯並びが悪いなど、お口の状態が良くないと良好な結果を得られません。
・診断・治療と製作工程で、通常3週間程度かかるため、今すぐ白くきれいにしたい方には不向きです。
●リスク・副作用
ラミネートベニアにともなう一般的なリスク・副作用・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・噛み合わせによっては、また歯ぎしり・食いしばりの強い方の場合は、ごくまれに割れたり欠けたりすることがあります。
・加齢により歯肉が退縮して審美的な支障をきたした場合、再治療の必要が生じることがあります。
・削る歯の量はごくわずかですが、歯がしみることがあり、症状が強い場合は神経を取ることがあります。