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インプラントの成功率95%の裏にある「5%の失敗」。インプラントの真実を知ろう

2026.01.23

インプラントの成功率95%の裏にある「5%の失敗」。インプラントの真実を知ろう

インプラント治療は失った歯の機能を取り戻す優れた方法ですが、外科手術を伴うため、その安全性や成功率に不安を感じる人も少なくありません。

一般的にインプラントの成功率は95%以上と非常に高い水準にありますが、一方で約5%の確率で失敗するリスクも存在します。

この記事では、インプラントの成功率の具体的な数値から、失敗の主な原因、そしてリスクを回避するための歯科医院選びのポイントまでを網羅的に解説し、インプラント治療の真実に迫ります。

インプラント治療の成功率と失敗する確率の実際

インプラント治療の成功率は、国際的な統計データでも高い数値が示されており、安全性の高い治療法として確立されています。

しかし、成功率が100%ではないことも事実であり、インプラントが骨と結合せずに抜け落ちてしまう「ロスト」などの失敗も起こり得ます。

治療を検討する上では、高い成功率という側面だけでなく、どのような場合に失敗のリスクがあるのかを正しく理解しておくことが、後悔のない選択につながります。

インプラントの10年生存率は95%以上と高い水準

インプラント治療における「10年生存率」とは、治療後10年間、インプラントが抜け落ちたり除去されたりすることなく、口の中で機能し続けている確率を指します。

この10年生存率が95%以上というのは、歯科治療の中でも際立って高い数値です。

この高い成功率の背景にあるのは、チタンという生体親和性の高い素材の発見や、骨との結合を促進する表面加工技術の進歩、そしてCTなどを用いた精密な診断技術の確立です。

これらの技術革新により、インプラントは長期的に安定して機能する信頼性の高い治療法となりました。

ただし残りの約5%で起こりうる失敗のリスク

成功率が高い一方で、約5%の確率で失敗する可能性があることも事実です。

失敗には、手術後早い段階でインプラントと骨が結合しない「初期失敗」と、長期間使用する中で問題が起きる「長期的失敗」があります。

特に強い力がかかる奥歯や、就寝中の歯ぎしり、食いしばりの癖がある場合、インプラントや周囲の骨に過度な負担がかかり、ネジの緩みや脱落につながる恐れがあります。

また、インプラント周囲の歯周病である「インプラント周囲炎」は、長期的な失敗の最も大きな原因とされています。

インプラント治療が失敗してしまう主な原因

インプラント治療の失敗は、単一の原因で起こることは稀で、多くは複数の要因が絡み合っています。

その原因は、患者様自身の生活習慣や健康状態に起因するものと、治療を行う歯科医院側に起因するものに大別できます。

万が一失敗した場合、保証制度によって再治療や一部返金の対応がなされることもありますが、そもそも失敗を招く原因を理解し、対策を講じることが何よりも重要です。

ここでは、主な失敗原因を具体的に解説します。

【患者様が要因1】日々のメンテナンス不足によるインプラント周囲炎

インプラントの失敗原因として最も多いのが、インプラント周囲炎です。

これは、インプラントの周りにプラーク(歯垢)が溜まることで歯茎が炎症を起こし、進行するとインプラントを支える顎の骨を溶かしてしまう病気です。

天然歯と違ってインプラントには神経がないため、自覚症状が出にくく、気づいた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。

多くの歯科医院のブログなどでも注意喚起されていますが、毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアを怠ることが、この病気を引き起こす最大の要因です。

【患者様が要因2】喫煙が引き起こす血流の悪化

喫煙はインプラント治療の成功率を著しく低下させる危険因子です。

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯茎の血流を悪化させます。

血流が悪くなると、インプラントと骨が結合するために必要な酸素や栄養素が十分に行き渡らず、傷の治りも遅くなります。

その結果、インプラントが骨にしっかりと固定されないリスクが高まります。

また、喫煙は免疫力を低下させるため、インプラント周囲炎を発症しやすく、進行も早めることがわかっています。

喫煙によるリスクとは、治療のあらゆる段階に悪影響を及ぼすことなのです。

【患者様が要因3】糖尿病などの全身疾患の影響

糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患もインプラント治療の失敗リスクを高める要因となり得ます。

特に糖尿病で血糖値のコントロールが良好でない場合、免疫機能が低下して傷が治りにくくなり、手術後の感染リスクが高まります。

また、骨粗しょう症の治療薬を服用している場合は、骨の代謝に影響を与え、インプラントと骨の結合を阻害する可能性があります。

ただし、持病があるからといって治療が絶対に無理というわけではありません。

かかりつけの医師と連携し、全身状態を安定させることで安全に治療を受けられる場合も多くあります。

【歯科医院が要因1】医師の技術力や臨床経験の不足

インプラント手術は、インプラントを顎の骨の正しい位置、角度、深さに埋め込む精密な技術が求められる外科手術です。

もし埋め込む位置が少しでもずれると、骨と結合しなかったり、周囲の神経や血管を傷つけたりする危険性があります。

特に、骨の量が少ない、あるいは骨が柔らかいといった難症例では、術者の技術力と経験が成功率を大きく左右します。

インプラントに関する専門的な知識や豊富な臨床経験を持たない医師が手術を行うと、偶発的な事故や早期の失敗につながるリスクが高まります。

【歯科医院が要因2】顎の骨の量や質が不十分なままの手術

インプラントは、顎の骨にしっかりと固定されることで、初めてその機能を発揮します。

そのため、インプラントを支えるのに十分な骨の量(高さと厚み)と質(硬さ)が必須条件です。

術前のCT検査などで骨の状態を正確に評価せず、骨が不足している状態のまま手術を強行すると、インプラントが安定せずにぐらついたり、最終的には抜け落ちてしまったりする原因となります。

骨の量が不十分な場合には、骨造成術などの追加処置によって骨を補う必要がありますが、この診断を誤ることが失敗に直結します。

【歯科医院が要因3】噛み合わせの調整が適切に行われていない

インプラントに装着する上部構造(人工の歯)の噛み合わせ調整は、インプラントを長持ちさせる上で非常に重要です。

全体の噛み合わせのバランスを考慮せず、特定のインプラントにだけ強い力がかかるような不適切な調整を行うと、インプラント本体や周囲の骨に過度な負担がかかり続けます。

この過剰な負荷は、上部構造の破損や、インプラントと土台を固定しているネジの緩み・破折、さらにはインプラント周囲の骨吸収を引き起こし、最終的にインプラントの脱落につながる可能性があります。

インプラントの失敗を回避するための歯科医院選び7つのポイント

インプラント治療の成功は、治療後のメンテナンスといった患者自身の取り組みはもちろんですが、それ以上にどの歯科医院で治療を受けるかに大きく左右されます。

医師の技術力や経験、設備の充実度、衛生管理体制などが、手術の安全性と長期的な安定性に直結するためです。

ここでは、失敗のリスクを避け、安心して治療を任せられる歯科医院を見極めるための7つの具体的なポイントを解説します。

これらの基準を参考に、慎重に歯科医院を選びましょう。

1・CTなどによる精密な術前検査を実施しているか

安全で確実なインプラント治療を行うためには、CTによる三次元的な術前検査が不可欠です。

従来の二次元的なレントゲン写真だけでは、顎の骨の厚みや奥行き、硬さ、さらには神経や血管の正確な位置関係を把握できません。

CT撮影を行えば、これらの情報を立体的に詳しく分析できるため、より精度の高い治療計画を立てることができ、手術中のリスクを大幅に軽減することが可能です。

CT設備を導入していない、あるいはCT撮影を必須としていない歯科医院は、安全性への配慮が十分でない可能性があります。

2・インプラント治療の経験が豊富な医師が在籍しているか

インプラントは専門性の高い治療分野であり、担当する医師の技量や経験が結果に直接影響します。

歯科医師であれば誰でも同じレベルの治療ができるわけではありません。

そのため、歯科医院のウェブサイトや医師のプロフィールを確認し、インプラント関連の学会に所属しているか、専門医や指導医などの資格を保有しているか、年間の症例数はどのくらいかなどをチェックすることが重要です。

特に、骨造成などの難易度の高い処置が必要な場合は、豊富な臨床経験を持つ医師を選ぶことが成功の鍵となります。

3・治療計画や費用について明確な説明があるか

インプラント治療は自由診療であり、高額な費用がかかります。

そのため、治療を開始する前に、どのような治療を行い、それぞれのステップでどのくらいの費用がかかるのか、総額はいくらになるのかを詳細に説明してくれる歯科医院を選ぶべきです。

治療のメリットだけでなく、潜在的なリスクやデメリット、インプラント以外の治療法(ブリッジや入れ歯)との比較なども含め、患者が十分に理解・納得した上で治療方針を決定する「インフォームド・コンセント」を重視しているかどうかが、信頼できる医院を見極めるポイントです。

4・手術後の保証制度やアフターケア体制が整っているか

インプラントは手術が終われば完了ではなく、その後の長期的な安定を維持するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

そのため、治療後の定期検診やクリーニングといったアフターケアの体制がしっかりと整っているかを確認する必要があります。

また、万が一インプラントが破損したり抜け落ちたりした場合に備え、歯科医院独自の保証制度を設けているかも重要なチェックポイントです。

保証期間や保証の適用条件(定期検診の受診など)を事前に書面で確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。

5・衛生管理が徹底されたクリーンな手術環境か

インプラント手術は外科処置であるため、手術中の細菌感染は失敗の直接的な原因となります。

感染を防ぐためには、徹底した衛生管理が不可欠です。

手術は日常的な歯科治療を行うスペースとは区別された、清潔な専用の手術室で行われるか、使用する器具は患者ごとに完全に滅菌・消毒されているか、術者は滅菌されたガウンや手袋を着用するかなど、衛生管理の基準を確認しましょう。

院内が清潔に保たれているかどうかも、その医院の衛生に対する意識の高さを判断する材料になります。

6・カウンセリングで疑問や不安を解消できるか

治療前のカウンセリングは、患者と歯科医師の信頼関係を築くための第一歩です。

この段階で、医師が患者の悩みや要望に真摯に耳を傾け、治療に関するあらゆる疑問に対して専門用語を避けて分かりやすく説明してくれるかどうかが重要です。

時間をかけて丁寧にコミュニケーションを取り、患者が抱える不安を解消しようと努めてくれる医師であれば、治療が始まってからも安心して任せることができます。

もし、カウンセリングで威圧的な態度を取られたり、質問しにくい雰囲気だったりした場合は、他の医院を検討した方が良いかもしれません。

7・過去の治療症例や利用者の口コミを確認できるか

その歯科医院の技術レベルや実績を客観的に判断する材料として、過去の治療症例は非常に参考になります。

公式サイトやカウンセリングの場で、自分と似たようなケースの症例写真(治療前後の比較)などを見せてもらうことで、治療後の具体的なイメージを持つことができます。

また、インターネット上の口コミサイトやSNSでの評判も、実際にその医院で治療を受けた人の生の声として参考になります。

ただし、口コミは個人の主観に基づく情報も多いため、全てを鵜呑みにせず、あくまで判断材料の一つとして活用するのが賢明です。

インプラントの失敗確率に関するよくある質問

インプラント治療を具体的に検討し始めると、成功率や原因だけでなく、より個人的で実践的な疑問が浮かんでくるものです。

例えば、「もし失敗したらどうなるのか」「自分は治療を受けられるのか」といった不安は多くの人が抱えています。

このセクションでは、インプラントの失敗確率に関して特によく寄せられる質問をピックアップし、それぞれ簡潔に回答します。

治療への最終的な決断を下すための参考にしてください。

1・万が一インプラントが失敗した場合、再治療はできますか?

多くの場合、再治療は可能です。

ただし、まずは失敗した原因を正確に突き止め、その問題を解決する必要があります。

例えば、感染が原因であれば、原因菌を除去し歯周組織の健康を回復させます。

骨の量が不足している場合は、骨造成術でインプラントを支えるための土台を再建してから、改めてインプラント手術を行います。

そのため、再治療には追加の費用や期間が必要になる場合があります。

2・インプラント治療が適用されない人の特徴はありますか?

はい、適用が難しいケースがあります。具体的には、顎の骨の成長が終わっていない18歳未満の方、重度の糖尿病や心疾患、骨粗しょう症などで全身状態が著しく悪い方、放射線治療を受けている方などです。

また、口腔内の清掃状態が極端に悪い方や、重度の歯周病を放置している方、コントロール不能な歯ぎしりがある方も、そのままでは治療ができないため、まずはそれらの問題を改善する必要があります。

3・歯科医院を選ぶ際にセカンドオピニオンを聞くべきですか?

セカンドオピニオンを聞くことは、非常に有効であり推奨されます。

特に、提示された治療計画や費用に少しでも疑問や不安を感じた場合、別の歯科医師の意見を聞くことで、より客観的な視点から治療法を比較検討できます。

複数の専門家の意見を参考にすることで、最初の診断が適切であったかを確認でき、自身が最も納得できる治療法を選択するための重要な判断材料となります。

まとめ

インプラント治療は95%以上という高い成功率を誇る一方で、約5%の失敗リスクも存在します。

その原因は、インプラント周囲炎につながるメンテナンス不足や喫煙といった患者側の要因と、医師の技術不足や不適切な診断といった歯科医院側の要因に分けられます。

失敗の多くは、原因を理解し対策することで予防が可能です。

リスクを回避するためには、CTによる精密検査や十分な治療経験、明確な説明、充実した保証やアフターケア体制などを基準に信頼できる歯科医院を慎重に選ぶ必要があります。

そして治療後は、歯科医院での定期メンテナンスと日々のセルフケアを継続することが、インプラントの長期的な安定につながります。

記事監修 | 医療法人湯川歯科医院院長 足立安弘

記事監修 | 医療法人湯川歯科医院院長 足立安弘
■略歴
  • 1993年5月

    歯科医師国家試験合格

  • 1993年5月

    小室歯科上本町診療所勤務

  • 1994年4月

    井上歯科勤務

  • 1998年10月

    ヒグチ歯科勤務

  • 2005年9月

    あべの歯科医院開業

  • 2007年9月

    医療法人湯川歯科医院勤務

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